【報告】シンポジウム いのちの海を埋め立てないで ~上関・祝島 自然とともに生きる未来へ~

9月8日(土)、日比谷コンベンションホールにてシンポジウム「シンポジウム いのちの海を埋め立てないで ~上関・祝島 自然とともに生きる未来へ~」が開催されました。

このシンポジウムは上関どうするネットが主催しました。

第一部では、鹿児島大学の、干潟に生息する生物に詳しい佐藤正典教授から中国電力上関原発建設予定地の田の浦に生息する希少生物の紹介や、原発が生物や環境に及ぼす影響について説明がありました。

原発の及ぼす海への悪影響を(1)温排水(廃熱)による「海の温暖化」の問題、(2)原発が冷却水として海水を取水する際に、海水といっしょに吸い込まれる小さな生物が死滅する問題、(3)原発事故がないときでも、日常的に放射性物質を放出する問題、に分けてわかりやすく説明されました。

 

第二部では、祝島から参加された山戸孝さんから島民の気持ち、反対運動の近況、自分達の地域を守ることについてお話がありました。特に印象深かったお話を紹介します。

 

「祝島に来て、島から対岸の原発建設予定地を見ていただければ、『ここに原発をつくってはいけない』と感覚として理解されると思う。」

当日参加した東京事務局スタッフも、はじめて祝島に行き、美しい瀬戸内の海を見渡した時、まさにそう感じました。上関町に住んでいても、祝島を訪れたことがある人は少ないそうですが、多くの人に是非1度訪ねていただきたいと思います。

 

「(島根原発の例を挙げ)原発だけでは小さな自治体は生き残れない、大切なのは自分達の地域を、どう自分達の価値観に合う形で守り、そのために汗をかいていくかだ。」

「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」の目的もまさにそこにあります。豊かな自然と、それを守って生きてゆく島の人たちの暮らしを、自然エネルギー普及を通じて残していく、そしてそれを日本中の地域が参考にできるモデルにしていくことの意義を改めて感じました。

次に長島の自然を守る会の高島美登利さんから、カンムリウミスズメやオオミズナギドリなど、豊かな田の浦の海で暮らす希少な生き物の生態や、上関でとれた新鮮な魚介を通信販売し、原発に頼らずに地元経済を成り立たせる活動が紹介されました。

 

このシンポジウムを通して、上関原発建設予定地が、いかに貴重な自然が残された豊かな海であるか、また、これは原発周辺地域だけの問題としてではなく、自分の問題として考え、自分達の地域をいかに守り、将来につなげていくかを、上関原発への反対運動から学ばなければならないと感じました。
シンポジウムの後には、日比谷公園から東京電力本社前を通って水道橋公園まで歩くパレードが行われました。

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